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ちょっとした人助け
長い坂道を小原は下っていった。ふと、遠くに目をやると対向車線、登り車線に車の下から煙を上げて停車している車があった。すれ違いに乗車している人を確認すると、結構歳のいったおじいさんだった。誰か、同じ登りの車線の人が止まってくれるだろうと思いながら、しばらく気になってバックミラーを見ながら走ったが誰も止まる気配が無い。特に急いでいる訳でもなかったので、「煙」と「高齢」が気になり、Uターンして戻ってみた。

その車の状況を聞くと「走らない」とのこと。エンジンはかかっている。そして水温も問題ない。車の下回りを覗いてみると、エンジンとミッションあたりの結合部分付近から煙があがっているようだった。マニュアル車だったので、ギアをローに入れクラッチを繋いでみた。クラッチから足が離れても車はピクリともしないばかりか、エンジンストールもしない。すっかりクラッチが焼けていた状態だったのだ。近くに公衆電話も無く、おじいさんは携帯も持っていなかったので、おじいさんのが知っているという車屋さんの電話番号に掛けるが「現在使われておりません」。違う心当たりの番号にかけても「使われておりません」どうしようか迷ったが、本社の番号が書いてあったのでそこにかけて新しい番号を聞きつけ、なんとか一件落着。

担当者に来てもらうことになって、さて小原は帰ろうとしたところ、「これ電話代」と電話代の何十倍のお札をおじいさんは出してきた。「いらない。そんなつもりでやったんじゃない」と何度も断ったがどうしてもということで結局いただいてしまった。お金をいただいてから言うのもなんだが。。。誰かがやってくれるだろう、じゃなく、俺が助けようくらいの勢いでの人助けはすごい清々しいなと感じた。いただいたお金は、財布に入れるのもなんだか納得いかず、家に神棚はないが、神棚をイメージし、そこにしばらくお供えすることにした。

| DIARY | 02:55 PM | comments (0) | trackback (0) |
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